日   誌
2014年12月

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2014年日誌


12月18日(木)
  「信頼されるリーダーの13の行動」
 「信頼の5つの波」のうち、第二の波にあたる「人間関係の信頼」について。
 
どのようにして他者との信頼関係を高め、「信頼に足る人物」になるかがここでのテーマです。
 この波の根底にある原則は、「行動の一貫性」であり、それをマスターするために有効なのが「信頼されるリーダーの13の行動」です。これはスティーブン・M・R・コヴィーが世界中の信頼されるリーダーたちを分析した結果、彼らに共通する行動を13にまとめたものです。私生活であれ職場であれ、あらゆる人間関係において信頼を築くのに有効なスキルを、あなたが改善したい人間関係に役立ててください。

それではまず、行動について考えていく。信頼構築において行動が重要であることは間違いありません。個人的関係でも仕事上の関係でも、人の行動というのは、言葉よりもはるかに大きな影響力を持っているからです。「私は結果を出せる人間です」と口で言うのは簡単ですが、それを行動で実証しなければ単なる嘘つきとみなされ信頼を失います。行動が伴わない言葉は、信頼を簡単に壊す力があるのです。

「信頼されるリーダーの13の行動」を実践するということは、ある意味、これまでの自分の行動を変えることになります。私たちが、今まで慣れ親しんできた行動を変えることは可能なのか。

「行動は変えられない、という人もいる。だが、人は行動を変えることができ、そして、時には劇的なほどに行動を変えていること、また、それによって驚くべき効果が得られることを示す明確な根拠がある」

「行動を変える人と変えない人の違いは、強い目的意識を持っているかどうかにある。信頼の構築を通じて結果を達成することを目的としていると、信頼を築くという行動がもはや単なる『すべきこと』ではなくなる。豊かで満足できる人間関係、協力と成果の共有、平凡な楽しみをよりいっそう享受するための強力な手段になるのだ」

 だから、行動を変えたいと思うならば、誰との信頼関係を築きたいのか、そのためにはどのような行動をすればいいのか、しっかりイメージすることから始めましょう。

 信頼を築く行動を身につけようとする際に、「信頼口座」として定量化して考えてみるとわかりやすくなります。信頼を築くような行動をすれば口座に預け入れをすることになり、逆に信頼を壊す行動なら引き出しとなります。信頼口座は次のような事実を知る上でも有効です。

 信頼口座は1つひとつに特徴がある
 相手の年齢、性別、あなたとの関係、今現在の信頼度合などによって口座にはそれぞれに特徴がある
預け入れや引き出しの額はいつも同じとは限らない
自分にとっては些細なことが相手には意外なほど大きな額になることがある。
それは預け入れにも、引き出しにも当てはまる。
 引き出しは通常、預け入れより多額になる
「評判を確立するには20年かかるが、評判を壊すのは5分もかからない
手っ取り早く信頼を築くには、引き出しをやめるのが1つの方法
 信頼のレベルを引き上げるには、推進力の強化もさることながら、抑制力を取り除くことも必要です。
アクセルとブレーキの両方を踏みながら運転するより、ブレーキから足を離したほうが車は速く走れるように。
人間関係ごとに2つの口座を持つ
 信頼の量は自分の見方と他者の見方で異なる可能性があるため、口座が2つあるつもりで人間関係を考え、それぞれの口座の残高に注意を払わなければならない。
 信頼口座を開いたら、「信頼されるリーダーの13の行動」を実践して、信頼を高めるように他者とかかわり、信頼を壊すようなかかわり合いをしないように行動する段階です。「信頼されるリーダーの13の行動」を実践すれば、私生活であれ職場であれ、あらゆる関係において信頼を築く能力が飛躍的に向上します。なぜそれほど強力なのか。それには次のような理由があります。
信頼関係を支配する原則に基づいている
  一時的な流行やテクニックではなく、永続的な原則に基づいている
「信頼性の4つの核」から生み出される
  人格面でも能力面でも個人の信頼性に基づき、見せかけの姿ではなく真の姿から流れ出る
実用的である
  すぐにどこでも実践できる
普遍的である
  あらゆる人間関係において実践でき、ビジネス・政治・教育など組織の種類も問わず、さまざまな文化への対応が可能
次回から、「信頼されるリーダーの13の行動」を1つずつ見ていくが、それに先駆けて、その理解と実践に役立つ点を紹介。
信頼されるリーダーの13の行動」はすべて、「信頼性の4つの核」の人格と能力の両方の要素が組み合わされる必要がある。最初の5つの行動は人格から生み出され、次の5つは能力から、そして最後の3つは人格と能力の両方を使って生まれます。
一度効果があると、ついそれをやり過ぎてしまいがちですが、度が過ぎると、せっかくの強みが弱みになってしまいます。それぞれの行動でちょうどいい「スイート・スポット」をとらえるようにしよう。
バランスをとるためには、13の行動を1つずつではなく、同時に実践する必要がある。
それぞれの行動について、その根底にある原則と、それぞれの行動の逆と偽物も併せて紹介することで、引き出しの行動にも注目してもらう。
それぞれの行動についてヒント、つまりあなたの「信頼性の4つの核」を強化して「スイート・スポット」をとらえるためのアイデアや、応用方法といった具体的な提案を紹介。
 13の行動は、信頼関係を支配する原則に基づいているため、信頼構築に非常に効果がある。それぞれを理解し、生活や仕事において活用すれば、強い信頼関係を築いたり、失った信頼の回復に威力を発揮したりできると思う。それでは、今回から「信頼されるリーダーの13の行動」を1つひとつ見ていくことにしよう。
 まず1つ目の行動は、「率直に話す」
 私生活や仕事上で、「思惑を明らかにしてくれたらいいのに」とか、「自分にはそれを受け止める心構えができているのに、どうして正直に話してくれないのだろう」などと思った経験があると思います。率直に話すという行為は、簡単そうに見えて、実は多くの人にとって難しいことなのかもしれません。
それでは初めに、あなたの現状を評価してみましょう。あなたが、常に率直に話していれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動 逆の行動、偽りの行動 現在の成績
率直に話す •嘘をつく でっち上げる
•一部だけ真実を話す
 •はぐらかす お世辞を言う
/10点
 では、「率直に話す」とは、どういうことなのでしょうか。
  正直に行動することであり、「真実を話すこと」と、「正しい印象を与える」という2つのことを意味する。
信頼を築くためには、ただ真実を話すだけではなく、
間違った印象を与えないように、考えを明確に伝えて誤解されないようにすることも大切なのです。

「率直に話す」の逆の行動は、嘘をついたり、騙したりすることです。しかし、こういうことをあからさまにする人はあまりいないでしょうから、注意すべきは、むしろ偽りの行為かもしれません。偽りの行動は、遠回しな言い方、情報の抱え込み、二枚舌、お世辞、場や人に適当に合わせる、でっち上げなど、率直に話す「ふり」をすることです。こうした行為は確実に信頼を低下させます。

 2005年に行った調査で、上司を正直だと感じている社員は40%に過ぎないという驚くべき結果が出ました。つまり、10人中6人の部下は上司の言葉に疑念を抱いているということになります。あなたが働く組織ではいかがでしょうか。表向きは信頼関係にあるように見えていても、実は信頼していない、あるいは信頼されていない関係があるかもしれません。

こういうことが横行すると、組織内での信頼は急激に低下していきます。部下は上司の指示をきかなくなり、情報を隠したり、1つで済むはずの会議が3つの会議に増えたり、上司の本音を探るために時間を費やすといった、余計な時間や労力を使わなければならなくなります。まさに低信頼税を生み出してしまうのです。

「率直に話す」という行動もやりすぎてしまうと、足りない場合のように低信頼税を生み出します。たとえば、「率直に話す」という名目で、言葉を選ばずに夫婦喧嘩をしたり、本人のいないところで他者を非難することは、正しい行動とはいえません。グラフの曲線の「スイート・スポット」を外さないようにすることが大切です。その判断力は、勇気(誠実)と、真の相互利益を目指す思惑(意図)と、状況に真っ向から取り組む力(力量)と、信頼構築を重視する姿勢(結果)からなる「信頼性の4つの核」によってもたらされます。

「率直に話す」ことは、組織に限らず、友人や家族といった親しい関係でも重要です。特にこうした親密な関係では、話し合いの際に、まず自分の意図を明確に示すと効果的です。これを踏まえて、家庭で率直に話すことの具体例を見てみましょう。
子どもの躾(しつけ)、親戚のこと、お金の問題などについても、夫婦がお互いの考えや気持ちを配慮しながら意見を述べ合い、Win-Winの解決策を見つける努力をする。
家族間で無神経さや思いやりのなさを互いに非難し合ったりするのではなく、「本当はあなたに気づいてほしかったんだけど、今回は私がしておいたからね」などと言えるようになる。
親しい関係では、「あえて言わなくても、相手は私が考えていることくらい、わかっているだろう」とつい考えてしまうこともあるでしょう。特に、言いにくいことや、聞きにくいことがある場合は、言葉ではなく空気を読む力に頼りたくなるものですが、率直に話すことがあなたにとって一番大切な人たちとの関係にどんな大きな効果をもたらすかもう一度よく考えてみてください。
 信頼を高めるヒント
  グラフ(※グラフ無し)の最適化の鍵は、それぞれの行動を「信頼性の4つの核」の最も高いレベルで組み合わせること。そうすることにより、行動を応用する判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和するようになるのです。「率直に話す」能力を向上させる上で注意するべき点を、具体的に紹介します。
 なぜ率直に話すことができないのか、その原因を考えてみましょう。
   結果や苦痛を恐れているためか。
   自分が間違っているかもしれないこと、あるいは相手の感情を傷つけることを恐れているのか。
   人気取りや勇気のなさによるものか。
   率直に話すことがない環境で生活したり、働いたりしているためか。
正直かつ率直であることによって得られる配当と、率直に話さないことによって支払うことになるコストを見極めましょう
自分がしている会話に注意を払いましょう。会話の合間に、自分は率直に話しているか、それとも都合のよい解釈をしているか、自問してみましょう。もし都合のよい解釈をしているとすれば、その理由を考え、自分はそれで税金を支払っていることを自覚し、誠実さと意図を改善することです。
他者に協力を求めましょう。周囲の人に、「私は率直な話し方ができるようになりたいと思っています。あなたとお話ししているとき、何か気づいた点があったら教えてもらえませんか?」と言って、改善の協力をお願いしてみましょう。
 まとめ
「正直に話す」とは、正直に真実を話すこと。根底にある原則は、誠実、正直、そして率直さである。
逆の行動は、嘘をついたり騙(だま)したりすること。
偽りの行動は、遠回しな言い方、情報の抱え込み、二枚舌、でっち上げなど。
  「信頼されるリーダーの13の行動」 ② 他者を尊重する
 「他者を尊重する」とは、どういうことなのでしょうか。重要な要素が2つ
1つは相手に敬意を示すことであり、
もう1つは心遣いや思いやりを示すこと、
具体的にいうと
感謝の気持ちを表す
相手の気持ちや立場を考える
相手が大切にしていることを同じように大切にする といったことになります。
それでは、あなたの現状を評価してみましょう。あなたが、常に率直に話していれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動 逆の行動、偽りの行動 現在の成績
他者を尊重する •思いやりや、心遣いを示さない。
•失礼な態度をとったり、自分に何かをしてくれる人だけに敬意を払う
/10点
 他者を尊重する行動は、尊敬、公正、親切、愛、礼儀の原則に基づいています。ただし、最も重要な原則は、個人に内在する価値、すなわち一個人としての重要性です。自分がしてほしいように相手に接することは、人間関係の基本であり、世界のあらゆる文化や宗教が認めている黄金律だといえます。

「他者を尊重する」の逆の行動は、「他者を軽視する」です。また、相手に思いやりを示さないことも逆の行動です。他者の気持ちや価値観を顧ない人は、職場でも家庭でもたいてい人を見下し、失礼な態度をとって信頼を失います。

「他者を尊重する」の偽りの行動はまず、敬意や思いやりを示すふりをすることです。しかし、それ以上に油断してはいけないのが、自分のために何かをしてくれる特定の人だけに敬意や思いやりを示すことです。相手によって態度を変える行動は「ウェイター・ルール」と呼ばれ、レストランでウェイターに接する態度によって、その人の人格的な成熟度がわかるというものです。レストランに限らず、店員さんに尊大な態度をとる方を見かけることがあります。また、上司には敬意を示すけれど、部下や自分の意見に異を唱える人には冷たいといったように、ポジションで人を判断するのもこれに当たります。

「他者を尊重する」という行動は、人によっては弱気な態度という印象を持つかもしれませんが、実は信頼やスピードやコストに直接影響しているのです。ある調査では、会社に大切にされていると思っている社員は42%に過ぎないという結果が出ています。この数字からは、知識労働者の時代になっても、依然として人をモノとして扱う産業時代の考え方から抜け出せていない経営者やリーダーがいかに多いかがわかると思います。大事にされていないと感じている社員が、どうして仕事に全力を尽くしたり、創造力を発揮したり、自発的に協働したりできるでしょうか。

「他者を尊重する」という行動をグラフ
(※グラフ無し)に当てはめてみると、曲線の左側(思いやりをほとんど示さない行動)は、謙虚さの不足、過剰なエゴや思いやりの欠如、あるいは思いやりや敬意の示し方がわからないことなどに原因があります。逆に、右側の度を過ぎた行動は、過保護、嫉妬、迎合などになり、過度の責任の引き受けや相手の利益を推測した身勝手な行動などによるものです。

小さなことが信頼口座に意外にも大きな効果をもたらすものですが、家庭においては、この「小さなこと」がことさら大切になります。「お願いね」や「ありがとう」の一言、相手の話に誠意をもって耳を傾けること、みんなが気持ちよく使えるように共有スペースをきれいにしておく心配りなどは、家族の信頼口座において多額の預け入れになります。逆に、こういったことを日々怠っていると、失礼な態度が当たり前になり、家族間で責任の押しつけ合いや絶え間ない批判合戦が生じてしまいます。そうなると、週に1日だけ「他者を尊重する」行動をしても、失った信頼を取り戻すことは難しくなってしまいますから、毎日少しずつ預け入れの行動を行うことが必要なのです。
 信頼を高めるヒント
  グラフの最適化の鍵は、それぞれの行動を「信頼性の四つの核」の最も高いレベルで組み合わせること。そうすることにより、行動を応用する判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和するようになるのです。それでは、「他者を尊重する」能力を向上させる上で注意するべき点を、具体的に紹介しましょう。
職場や家庭において自分が人にどのような態度をとっているか。
あなたは現実に満足しているだろうか。もし不満を感じていたら、意図を改善する努力をしよう。
相手に思いやりを示すために何ができるか、具体的に考えてみよう。電話をかけたり、礼状などで謝意を表したり、お見舞いのメールを送ったりといったことが思い浮かぶだろう。人が喜ぶことを毎日してみよう。たとえその相手が、あなたが働くビルの清掃係であってもだ。あなたの気持ちと行動を一致させることが大切なのだ。
今ある人間関係を当たり前だと思ってはいけない。夫婦や恋人、家族や友人との関係は特にそうである。相手は自分の気持ちをわかってくれているとつい思い込み、別の人間関係にエネルギーを割きすぎるのはよくない。新しい関係より今ある関係こそ、思いやりを示すことが必要ではないだろうか。
  まとめ
「他者を尊重する」とは、すべての人に敬意と思いやりを示すこと。
根底にある原則は、尊敬、公正、親切、愛、礼儀、個人に内在する価値観である。
逆の行動は、他者を軽視すること。
偽りの行動は、敬意や思いやりを示すふりをすること、特定の相手だけに敬意や思いやりを示すこと。
③ 「信頼されるリーダーの13の行動」の3番目、「透明性を高める」
 初めに、あなたの現状を評価してみましょう。常に透明性の高い言動をしていれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。
行動     逆の行動、偽りの行動 現在の成績
透明性を高める •情報を抱え込む
•秘密をつくる
•幻想を生み出す、ふりをする
/10点
  「透明性を高める」とは
 つい最近、信頼を築く上で、「透明性を高める」ことがどれほど重要なのかを示す事件が世間を賑わせました。某精密機器メーカーが、法外な金額で企業を買収したと見せかけて、財テクの失敗で生じた損失の穴埋めをしていたというものです。

その企業は、何年にもわたって損失を隠し続けるという企業としての透明性を持っていなかっただけでなく、それが発覚しそうになっても買収は適正であったと主張し続けていました。事件の真実が明らかになるにつれて、一部の関係者だけが情報を抱え込んでいたことや、その場を取り繕うために嘘を重ねていたことが判明し、その結果として、株価は暴落し、株主の不信と怒りは訴訟という形になり、会社の存続すら危うい状況になってしまいました。損失が発生したときに正直に申告していれば、これほど多額の「相続税」を支払うことにはならなかったことを思うと、透明性と信頼の関係がおわかりになるでしょう。

「透明性を高める」とは、
オープンにやるということです。偽らず、人々が確認できるような形で真実を話すことともいえます。
そして、透明性を高める行動は、正直、率直、誠実、そして信憑性の原則に基づいています。

「透明性を高める」の逆の行動は、隠すこと、覆うこと、曖昧にすること、あるいは闇をつくることです。心にしまうこと、抑え込むこと、秘密を持つこと、開示しないことなどがこれに当たります。
 信頼を高めるヒント
「透明性を高める」という行動をグラフ(※グラフ無し)に当てはめてみると、曲線の左側(透明性が不足している)は、正直や勇気の欠如、隠された思惑、透明性の重要性を認めて高める信頼力の欠如などに原因があります。逆に、右側の度を過ぎた行動は、謙虚、相互利益の思惑、信頼力とリーダーシップ・スキル、成り行きに対する適切な定義と敏感さのどれか、あるいは複数が欠如していることによります。

「グラフの最適化の鍵は、それぞれの行動を『信頼性の4つの核』の最も高いレベルで組み合わせることだ」そうすることにより、行動を応用する判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和するようになるのです。それでは、「信頼を高める」のに役立つ点を、具体的に紹介しましょう。
職場や家庭で、自分は共有すべき情報を抱え込んでしまってはいないか、自問してみよう。もしそうであるなら、それはなぜだろう。その結果、支払っているかもしれない税金、そして透明性を高めれば得られるかもしれない配当について考えることだ。
あなたが職場のリーダーの立場にあるなら、あなたの組織はさまざまな利害関係者に対する透明性はどの程度か考えてみよう。さらに個々の状況について、もっと透明性が高かったらどんな違いが生じるだろうか。透明性、そして引いては信頼配当を適切に高める方法を見つけ出す努力をしよう。
配偶者やパートナーなどとお金の管理を共有している場合、あなたは透明性をどの程度確保しているだろうか。離婚の主な理由に金銭問題を挙げる人が今なお多いことを忘れないでほしい。金銭面の優先事項、意思決定や支出に関して透明性が高くないとしたら、それはなぜなのか考えてみよう。「信頼性の4つの核」を強化すると、行動やパートナーとの関係における透明性を高められるばかりか、統一的手法に向けて努力する能力も向上するはずだ。
  まとめ
  「透明性を高める」とは、人が確認できるような形で真実を話すこと。現実にしっかり目を向け、オープンな態度で信憑性を高める。開示はやりすぎるくらいのほうがよい。
根底にある原則は正直、率直、誠実、信憑性である。
逆の行動は、隠すこと、抑え込むこと、曖昧にすること。
偽りの行動は、透明性を高めるふりをすること、物事を本当の姿とは異なるように
  ④ 「信頼されるリーダーの13の行動」の4番目、「間違いを正す」
 それでは初めに、あなたの現状を評価してみましょう。普段から間違いを認めたらすぐに謝っていれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動     逆の行動、偽りの行動 現在の成績
間違いを正す •他者を裏切る、手柄を独り占めする
•本人の前では持ち上げ、陰では悪口を言う
/10点
 「間違いを正す」とは
「間違いを正す」とは、ただ謝るだけではなく償いをすること。
「信頼されるリーダーの13の行動」の中で、この「間違いを正す」ことほど
難しいものはないかもしれません。
人間は誰でも間違いを犯しますが、そのことによって自分の評価が下がるのは嫌なものです。誰かの間違いを指摘するのが得意な人はいても、
自分の間違いを正すことが得意な人はなかなかいません

「間違いを正す」という行動は、謙虚、誠実、償いの原則に基づいています。その逆は、自分の間違いを認めなかったり、開き直ったりすること、不正行為を正当化すること、問いただされるまでミスを認めないことなどです。そこには、自分さえよければいいというエゴやうぬぼれが関係しています。

また、「間違いを正す」における偽りの行為は、隠ぺいすることです。間違いを隠せば税金を払う必要がなくなりそうですが、過ちを犯した時の税金と、間違いがばれた時にそれまで隠していた税金を二重に生み出すので、支払う信頼税は莫大なものになります。
 信頼構築への影響
自分の間違いに気がついたとき、どのようなことを考えるでしょうか。すぐに謝って正すべきだと頭ではわかっていても、その一方で、その間違いによる責任を問われないようにするにはどうしたらいいか、と考えてしまうかもしれません。

「間違いを正す」ことにおいて大切なポイントは、自分の間違いを認めて正す努力をするまでに
時間をかけないことです。
間違いを犯したとき、それを直ちに認めて謝罪すれば切り抜けられたのに、それを認めず謝らなかったために、元々はたいしたことがなかった出来事がはるかに大きな問題に拡大し、事態がさらに悪化してしまうことはよくあります。

遅くなっても謝罪して償ったほうが、全くしないよりはましですが、信頼を構築したり回復したりするためには、時間をかけずに正すほうがずっと効果的です。自分の間違いを認め、謝罪し、償うという謙虚と勇気の道を選択するためには、強い人格が必要なのです。つまり、「問題は、
間違いをするかどうかではなく、間違いにどう対処するか
 信頼を高めるヒント
 「間違いを正す」という行動を下のグラフ※グラフ無し)に当てはめてみると、曲線の左側(間違いを正すのが不十分)は、正直や謙虚、勇気、心遣い、行動と求める成果の調和などに努力する必要があります。逆に、同じ間違いを繰り返して何度も謝る状態である右側にいる場合は、一貫性や動機、あるいは「信頼性の4つの核」すべてを強化・結合して間違いが起きる根源を断たなければならないでしょう。

「グラフの最適化の鍵は、それぞれの行動を『信頼性の4つの核』の最も高いレベルで組み合わせること」。そうすることにより、行動を応用する判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和するようになるのです。それでは、「間違いを正す」のに役立つ点を、具体的に紹介しましょう。
今度、過ちを犯したとき、自分がどういう態度をとるか、注意深く見てみよう。見て見ぬふり、正当化、隠ぺいなどをするか、それとも、すぐにそれを認め、償うための措置を講じるか。あなたが今、間違いを直ちに正す謙虚さと勇気を持ち合わせていなければ、自分が目標とする人物の行動を真似るようにしよう。
あなたの過去を振り返ってみよう。是正していない過ちがないだろうか。欠けている部分を補ったり、スパッと解決する必要があるような疎遠な関係はないか。こうした努力は途方もなく難しそうに見えるかもしれない。だが、過去の過ちにメスを入れることで、「一時的な激痛」に見舞われることがあるとしても、不信による「慢性の痛み」に比べれば我慢しやすいのだ。過去の過ちを本気で是正することによって得られる安堵感は測り知れないものがある。
今度、誰かに不当なことをされても、すぐに許してあげよう。その人が間違いを正しやすくしてあげるのだ。
それによって相手は楽になるが、自分のためにもなる
 まとめ
「間違いを正す」とは、間違いを認め、謝り、償うこと。埋め合わせて元の状態に戻すための強い人格と迅速な行動が必要。
根底にある原則は謙虚、誠実、償いである。
逆の行動は、自分の間違いを認めない、開き直る、不正行為を正当化する、問いただされるまでミスを認めないことなど。
偽りの行動は、隠ぺいすること。
 「信頼されるリーダーの13の行動」の5番目、「忠誠心を示す」
 それでは初めに、あなたの現状を評価してみましょう。普段から表裏がなく、相手を立てていれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動     逆の行動、偽りの行動 現在の成績
忠誠心を示す    間違いを認めないか、是正しない
 •間違いを隠ぺいする
/10点
 「忠誠心を示す」とは
 「忠誠心を示す」とは、真心を込めて尽くすことを指し、誠実、忠誠、感謝、評価の原則に基づくものです。
それを示す有意義な方法として、2つの要素にフォーカスしています。
それは、他者に花を持たせることと、その場にいない人もいるかのように話すことです。
 1)他者に花を持たせる
「他者に花を持たせる」とは名誉や勝利を譲ったり、相手を立てたりすることで、逆は自分の手柄にすることです。たとえば、仕事でよい結果、あるいは目標が達成できた場合、上司が手柄を独り占めするか、それともチームや関係者の功績を認めて名誉を共有するかで、信頼構築に大きな差が生まれることを想像してみてください。

「他者に花を持たせる」の偽りの行動は、表裏のある態度をとることです。ある人がそばにいるときはその人を買っているように話し、いなくなると悪く言う「二枚舌」がその典型です。

他者に花を持たせるやり方は、言葉や文章で功績や人柄を称えたり、大勢の前で発表したりなど、さまざまなものがあります。いずれの方法をとるにせよ、他者に花を持たせることで、信頼や経済効果をはじめとして、いろいろな影響力があらゆるレベルで大幅に高まることは間違いありません。

花を持たせた特定の部下との信頼を築くだけではなく、それを見ていた他の多くの人に対しても信頼を築くことができるのです。それは、今後の仕事において創造性の発揮、協調、アイデアの自由な共有などを通じ、信頼を飛躍的に拡大する環境を社員間に構築することにもつながります。
2)本人がいつもそばにいるつもりで話す
  「忠誠心を示す」もう1つの方法は、誰かの話をするとき、その人がそばにいるつもりで話すことです。その逆の行動は、その場にいない人を裏切り、その人の考えや立場を尊重しないことです。偽りの行動は、本人の前ではおだてて陰では悪口を言ったりすることであり、これも逆の行動に劣らず信頼関係を破壊するものです。

興味深いことに、陰口を言う人は、そうすることでその場にいる人たちと感情を共有し、仲間意識のようなものが形成されると思っているようでが、それは全くの間違いです。陰で人の悪い噂をすると、それを聞いている人たちは、自分がいないときには同じようにされているだろうと考えることでしょう。

その場にいない人のことをどのように話すか、または話さないかは、信頼関係に大きな影響を与えます。それによって信頼が築かれる場合もあれば、あっという間に壊されもするのです。

そうはいっても、他者に関する話をしなければならないことはあります。よい内容ならそれほど問題にはなりませんが、そうとは限りません。勤務態度や業績に問題がある人について話し合い、解決しなければならないというケースもあるでしょう。ここで重要になるのは、他者について話す意図です。つまり、話す目的が不満を並べることではなく、目的は業績や人間関係を改善することであり、本人に直接話すときと同じようにフェアに話すのであれば、その場にいない人に対して忠誠心を示していることになるのです。あなたが人と話をするとき、その場にいる人についてもそうでない人についても、同じように敬意をもって話すということがわかってもらえれば、信頼を構築することができます。
 信頼を高めるヒント
  「忠誠心を示す」という行動をグラフ※グラフ無し)に当てはめてみましょう。曲線の左端は、都合のよいときだけ忠実に振る舞う、他者に反対されると忠誠心を貫けないなど、ほんの少ししか忠誠心を示さない行動です。逆に右端は、ある人に対してその時点では極めて忠実そうな素振りを見せるけれど、その人の将来の幸福や原則には忠実ではない行動です。たとえば、ある人の犯罪行為を口外しないと約束したりする場合がこれにあたります。いずれにせよ、「誠実さ」(勇気や一貫性)、「意図」(動機や行動)、そして「力量」(信頼力)は、スイート・スポットを維持する上で大きな効果があります。

「グラフの最適化の鍵は、それぞれの行動を『信頼性の4つの核』の最も高いレベルで組み合わせること」そうすることにより、行動を応用する判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和できるようになるのです。
それでは、「忠誠心を示す」のに役立つ点を、具体的に紹介しましょう。
•今度誰かが人の陰口を言っているのを見つけたら、どう対応するべきか考えてみよう。自分もそれに加わるか、それともその場を去るか。さらには、その場にとどまりはするが、参加はしないか。その人のよい話を持ち出して会話のバランスをとるか。また、「本人のいないところでこんな話をするのは気が進まない。何か問題があるなら、本人と直接話をしよう」と言う手もある。その状況で最も原則に基づいた行動は何かを考え、それを実行することだ。
•今度あなたが職場や家庭で人と一緒に何かをするとき、相手に花を持たせるようにしよう。全員の貢献が認められ、すべての人が感謝されるような環境を生み出す努力をしよう。他者を積極的に ほめることだ。
家族の悪口は絶対に言わないようにしよう。家族、特に子どものことを夫婦間で話すときは慎重でなければならない。子どもが何かよいことをしているのを見つけたら、それを他の人にも報告して喜びを分かち合おう。
 まとめ
  「忠誠心を示す」とは、他者に花を持たせる、他者の貢献を認める、その場にいない人のこともいるつもりで話す、陰で悪口を言わない、個人的な情報を公表しないこと。
根底にある原則は、誠実、忠誠、感謝、評価である。
逆の行動は、手柄を独り占めする、その場にいない人の悪口を言う、など。
偽りの行動は、裏表のある態度、本人の前ではおだてて陰では悪口を言うことなど。
  ⑥ 「信頼されるリーダーの13の行動」の6番目「結果を出す」
 前回までは、人格に基づく行動を見てきましたが、ここからは能力に基づいた行動を取り上げます。
それでは初めに、あなたの現状を評価してみましょう。あなたが、普段から結果をちゃんと出していて、目標を成し遂げていれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動     逆の行動、偽りの行動 現在の成績
結果を出す    •結果を出さない
•結果よりも手段としての活動を生み出す
/10点
 「結果を出す」とは
  新しいクライアントと関係を築きたい場合、最短期間で信頼を築ける方法を1つ挙げるとすれば何でしょうか。それは「結果を出す」ことです。結果は、人に信頼性や信頼を直ちにもたらし、強い影響力を与えてくれます。あなたという人物が価値を生み出し、貢献する能力を備え、仕事ができることをはっきりと証明してくれるものなので、他者との間に信頼を築く強力な手段となります。

「結果を出す」という行動は、責任、アカウンタビリティ、そしてパフォーマンスの原則から生まれます。その逆の行動は、もちろん結果を出させないことです。偽りの行動は、結果ではなく、結果を実現する手段としての活動を生み出すことです。

魅力的なプレゼンを行い、素晴らしい結果を期待させるような約束をするけれど、いざとなると全く結果が出なかったり、出たとしても約束には遠く及ばない、といったケースは往々にしてあります。でも、本当に信頼される人は、言うことは地味でも、着実に結果を出す実行力を持っているものです。

仕事が責任をもって果たされた場合、また果たされなかった場合、いずれも信頼口座への影響は計り知れないものがあります。クライアントも結果を出して口座の残高を増やした相手に対しては、要求を認めてあげようという気持ちになるものです。逆に結果を出していないのに要求だけはしてくる相手の言うことに耳を傾けようと思う人は少ないでしょう。結果を出した人はそうでない人よりも、手にする選択の幅や融通性が広がります。それは家庭内でも職場でも同じです。

(職場の)出退時間を部下の自由に任せることに上司は諸手を挙げて賛成する。ただし、それは部下が自分の成績と結果で勝ち取らなければならない。実は、仕事と私生活のバランスを本当に機能させるものは、かつてのポイント制度だと私は見ている。優れた成績を上げた者はポイントを貯め、それを融通性と交換できる。自分のポイントが多ければ多いほど、自分の好きな時に、好きな場所で、好きな方法で働ける可能性が増えるのだ。

いかがでしょうか。結果を出すという行動は、それ以外にも、反対派を味方につけるのに有効であり、また、新しい関係において信頼を素早く築いたり、失った信頼を速やかに回復したりするのにも効果があります。それくらい信頼構築において非常に重要な要素なのです。
 「結果」を前もって示す
  結果を出しているのに期待する反応が得られないという人が時々います。信頼口座に多額の預け入れをしていると思っていたのに、実際はわずかな金額だったり、マイナスだったりするケースです。それは大概、何を期待しているのか、事前にはっきりとさせておかなかったことが原因だと思われます。自分にとっては「とてもよい、素晴らしい、効果がある」結果だと考えたことが、相手にとっては「平凡、見当違い」な場合もあります。たとえば、ある父親は、子どもの学費やおもちゃを買うお金のために夜遅くまで懸命に働いて、たくさんの預け入れができたと思っていても、子どもが本当に求めているのは父親と共に過ごす時間だったりする場合です。また、製品開発チームが顧客は気にも留めない機能の開発に必死になるような場合もそうです。
このような食い違いが起きないようにするには、お互いが求める結果を事前に定義しておくことが必要です。
  信頼を高めるヒント
  「結果を出す」という行動においては、「信頼性の4つの核」の中でも能力に関する核がより強く作用します。下のグラフ(※グラフ無し)の曲線の左端は、期待に届かない結果の出し方で、「誠実さ」「力量」それにもちろん「結果」を強化する必要があります。そのためには前もって結果を定義するのが最も効果的な方法です。逆に右端は、結果は十分に出ているが、それが的を射たものであるかどうかが考えられていない状態です。(たとえば、上司が重要視していない仕事に注力する部下、子どもとの時間をつくらないで残業する親など)やはり、「誠実さ」(特に一貫性)、「力量」の調和、結果の定義などに向けて努力すると、曲線状のスイート・スポットに近づいたり、維持したりする上で大きな効果があります。

「グラフの最適化の鍵は、それぞれの行動を『信頼性の4つの核』の最も高いレベルで組み合わせることだ」そうすることにより、行動に応用する判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和できるようになるのです。それでは、「結果を出す」のに役立つ点を、具体的に紹介しましょう。
•今度あなたが結果を出そうと思うときは、何が期待されているのかを徹底的に理解するようにしよう。自分ではよい結果だと思って実現させても、評価されるとは限らない。真の信頼関係を築きたいと思ったら、相手が求める「結果」が何なのか知る必要がある。
•今度あなたが「結果を出す」と約束するときは、果たしてその約束が現実的なものか慎重に考えよう。大風呂敷を広げておいて期待に達しなければ、そのつど信頼口座から引き出しを行う羽目になる。
•顧客や同僚の期待を前もって予測し、要求される前に結果を出すようにしよう。期待を予測することにより、信頼口座への預け入れに配当を付け足すことができるはず。
 まとめ
  「結果を出す」とは、結果の実績を確立する、正しいことをやり抜く、自分に課された仕事を成し遂げる、無理な約束をして期待を裏切らない、結果を出せなかったときに言い訳しないこと。
根底にある原則は、責任、アカウンタビリティ、パフォーマンスである。
逆の行動は、成績が悪い、結果を出せない、など。
偽りの行動は、結果ではなく、結果を実現する手段としての活動を生み出すことなど。
 ⑦ 「信頼されるリーダーの13の行動」の7番目、「より上を目指す」
 それでは初めに、あなたの現状を評価してみましょう。自分の能力を磨き、成長していれば10点、逆に現状維持にとどまっていたり、過去の栄光にあぐらをかいていたりするほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動 逆の行動、偽りの行動 現在の成績
より上を目指す •能力が低下する
•改善に投資しない
•どの問題にも同じ解決策を当てはめる
/10点
  「より上を目指す」とは
  私たちは今日、非常に変化の激しい時代に生きています。それだけでなく、技術革新、グローバル化、知識経済などの影響によってビジネスの難易度が高まり、状況は日に日に困難になっているのが現状です。昔からあるスキルだけに頼っていては、取り残されてしまいます。

競争や変化のスピードが激しさを増している中では、自分の能力を大幅に向上させ、常に進化し続ける必要があります。つまり、本当に信頼されるのは、常に「より上を目指す」リーダーであるということになります。

「より上を目指す」という行動は、継続的改善、学習、そして変革の原則に基づくものです。「結果を出す」と同様に、「信頼性の4つの核」の3番目に挙げた「力量」が強力なポイントとなるでしょう。あなた個人、またはあなたの組織が、他者から「学習し、成長、再生している」と見られると、変化の多い環境でも成功できる人(組織)と見なされ、信頼されるようになります。

「より上を目指す」の逆の行動は、退化、悪化、過去の栄光にあぐらをかくこと、世の中の動きに適合できないこと、などです。めまぐるしいスピードで変化する今のビジネスシーンでは、「より上を目指す」努力を意識的に行わないでいると、元の水準にとどまるのではなく、急速な変化についていっている周囲の人々よりもどんどん遅れをとることになります。つまり、単なる現状維持では、信頼を維持するどころか、かえって低下させてしまうのです。

「より上を目指す」という行動には、一般的に偽りの行動が2つあります。1つは、万年学生で、勉強には余念がないけれど結果を全く出さない人です。もう1つは、何でも自分の得意な領域に無理やりはめ込もうとする行為です。過去に大きな成功を収めた企画、営業方法などを持っている人は、その成功体験に縛られやすくなりがちです。そのときとは違う相手、違う状況でも、「あのときはこの方法で成功したから、今回もまたあの成功パターンにはめ込んだら大丈夫だろう」と考え、安易に答えを出してしまうからです。そういうことが続くと、より上を目指して新しい方法を見つけることが、いっそう困難になっていきます。
  「より上を目指す」には
 「フィードバックを求める」「間違いから学ぶ」の2つの方法が有効です。
 1)フィードバックを求める
  フィードバックを求め、それを効果的に利用することは、企業にとっても、個人にとっても改善に欠かせません。フィードバックをしっかり求め、それに従って行動することは、学習を通じて成長する革新的企業であることの証しといえます。

個人についていえば、弊社が提供している「360°フィードバック・ツール」の利用者は、自分の強みや弱みについて、自分の見方と他者の見方を比較したり、時には他者の意見を聞くことで、自分のパラダイムを再構築する必要性を痛感し、望ましい変革への道筋をつけていきます。どのような言動がその相手と共有する信頼口座への預け入れになるかを知る上で、フィードバックを受けることは非常に有効な方法なのです。

また、受け取ったフィードバックを実践の中でどう活かしていくのか、あなた自身の考えを周囲に示す必要もあります。提供した意見をあなたが真剣に受け止めていることを知れば、フィードバックを与えた人にあなたが成長と変革を志していることが伝わりますし、その人はあなたを信頼するようになるはずです。
 (2) 間違いから学ぶ
  人は、失敗や世間体を気にするあまり、間違いを犯すことに対して逃げ腰になりがちです。しかし、間違いを犯すことを恐れていては、進歩は望めません。優秀な人や企業は、間違いは人生に付き物と割り切っているものです。間違いというものを改善に役立つフィードバックであるととらえ、間違いから学ぶ技術を身につけているのです。
「私は何ヶ月も何年も考えに考え抜く。それでも100回のうち99回まで、私の結論は間違っている。100回目でようやく正解にたどり着く」  アインシュタイン
「私は1万回失敗したのではない。うまくいかない方法を1万通り見つけて排除したのだ」  エジソン
「成功は、失敗と反省の繰り返しによってのみ手に入れることができる。成功とは仕事の1%であり、それは、失敗ともいうべき99%の仕事によってもたらされる」  本田宗一郎
 信頼を高めるヒント
  「より上を目指す」という行動を効果的に行うには、「信頼性の4つの核」のすべてが関係します。あなたが改善を決意し、それを実行するための「誠実さ」と、相手にもっと貢献できるようになるという「意図」があれば、あなたの行動はスイート・スポットをとらえているといえるでしょう。

当然、「力量」も関係してくることになります。これには、重要な目標を設定して達成する力の他に、信頼を築き、育て、与え、回復する能力も含まれます。

さらに「結果」です。できるだけ効率的に上を目指し、改善点と達成目標の関係を検証する上で必要になるものです。
「グラフ(※グラフ無し)の最適化の鍵は、それぞれの行動を『信頼性の4つの核』の最も高いレベルで組み合わせることだ」とスティーブン・M・R・コヴィーはいいます。そうすることにより、行動を応用する判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和するようになるのです。それでは、「より上を目指す」のに役立つ点を、具体的に紹介しましょう。
あなたの部下、顧客、チームメンバー、家族たちに次の3つの質問をする。
.我々が今していることで、今後も続けるべきだと思うことはどれですか。
我々が今していることで、やめるべきだと思うことはどれですか。
.我々が今していないことで、始めるべきだと思うことが何かありますか。
回答に感謝するとともに、あなたがこれから実行しようと思うことを説明し、さらに進捗状況を報告する。
•今度あなたが間違いを犯したときは、くよくよ悩んだりせず、それをフィードバックととらえる。そこから教訓を見つけ出し、次回は間違いをしないような方法を考えよう。
•あなたがチーム内、または家族内のリーダーならば、間違いを犯すことを恐れなくてもよい環境をつくる。適度なリスク・テイキングと失敗から学ぶ姿勢の有効性を周囲の人に伝えることで、高い信頼、相乗効果、生産性の確立を目指そう。
  まとめ
 「より上を目指す」とは、継続的改善や学習に努めて「力量」を高めること、フィードバックを受け入れ行動に活かすこと。自分の能力を絶対視したり、今の知識やスキルだけで将来の課題に対処できると思ってはいけない。
根底にある原則は、継続的改善、学習、変革である。逆の行動は、退化、悪化、過去の栄光にあぐらをかくことなど。偽りの行動は、勉強に余念がないが結果を出さないことと、何でも自分の得意な領域にはめ込もうとすること。
「信頼されるリーダーの13の行動」
 8番目、「現実を直視する」
 厳しい状況や弱い自分を見つめるのを恐れるリーダー、どんな状況でも根拠なく「大丈夫だ」と考える楽観的なリーダーは、正しい決断を下すことはできず、結果的に信頼を失います。
それでは初めに現状を評価してみましょう。あなたが、普段から現実に正面から取り組んでいれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動 逆の行動、偽りの行動 現在の成績
現実を直視する   •現実から目を背ける
 真の問題を避け、見せかけの仕事に逃げ込む
/10点
 では、「現実を直視する」とは
  職場や家庭において、関係者全員で検討すべき重要な問題を数人が非公式で話し合う場面や、特定の問題を皆が明らかに避けているような場面に居合わせたことはありませんか。どんな問題も誰もがオープンに、しかも尊重し合いながら話し合い、解決されていたら、多くの時間を節約でき、状況は大きく変わり、信頼関係を強化できるというメリットがあるにもかかわらず、こうした行為はよく見られます。

「現実を直視する」とは、
困難な問題でも正面から取り組むということです。
良いことに限らず、悪いことも共有すること、誰もが目をつぶっている問題をあえて持ち出すこと、タブーに切り込むこと、触れにくい問題について話し合うことを指します。こうしたことを適切に行うと、あなたが率直で、難題を避けて通らず、信頼できる人間であることが相手に伝わります。

「現実を直視する」という行動は、
勇気、責任、自覚、そして敬意の原則に基づいています。その逆の行動は、現実を無視して存在しないかのように振る舞うこと、やがて消えてなくなるかのように思い込むことです。偽りの行動は、現実を見ているようでも実際には真の問題から目を背け、見せかけの仕事に逃げ込むことです。

こうした逆の行動や偽りの行動は、閉鎖的で透明性に欠け、率直な話し方ができないなど人格に問題があるか、無能で、何が真の問題なのかわかっていないなど能力に欠ける人間だと見られることにつながります。どちらであっても、現実を直視できない人とは信頼を築くことはできません。
 「現実を直視する」と、スピードとコストに関して少なくとも2つの重要な効果が生まれます。
第一に、オープンな議論、達成までのスピードを促進するような関係が築かれます。
第二に、表向きはバラ色の絵を描いて見せながら難題に苦労して取り組むのではなく、周囲の人の独創性や能力、相乗効果を活用して問題を解決することができます。そうすると次々にアイデアが湧いて、革新と協調の空気が生まれるので、有効な解決策が迅速に生み出されます。さらに、問題解決のプロセスにかかわる人たちの理解や賛同も得やすく、期待も高まります。
 人はなぜ現実から逃げるのか
  良い知らせだけでなく、悪い知らせも共有することは、「あなたなら、そういうことについても理解や対処ができると思っています」という敬意を示すことにもなります。
 人はなぜ現実から逃げようとするのでしょうか。
 1つは、他者に良く思われたい、悪いことを伝える悪者にはなりたくないという心理が考えられます。
悪いことの伝達を自分の補佐にやらせて、自分の信頼性や信頼を維持することが狙いかもしれませんが、そうした行動は実際は逆効果でしかありません。部下たちから見れば、自分たちのリーダーには正直さが欠け、厄介な問題にかかわるのを避け、いやな仕事を他者に押しつける無責任なリーダーと映るでしょう。そして、そこに生み出されるのは、莫大な税金です。
また、苦痛を味わいたくない、下手に現実に立ち向かって面目をつぶしたくないという場合もあります。
たとえば、自分の子どもが万引きやいじめをしているとすれば、親としては悲しいことです。あまりの辛さから気づいても見て見ぬふりをしたり、子どもと向き合うのを避けてしまうのです。

 
問題を先延ばしにしたところで、自然に解決や改善ができるものではない。それどころか、すぐに行動しないと、解決の選択肢はどんどん減るばかり。後手に回るのは避けなければなりません。
 信頼を高めるヒント
 「現実を直視する」という行動のスイート・スポットは、「信頼性の4つの核」のすべてが、絡み合って生まれる判断だということは明らかです。曲線の左端は、何事もよく見せたいと思ったり、立ち向かう姿勢が無視されたり、弱められたりする場合です。スイート・スポットに近づくためには、「誠実さ」を高め、「意図」を改善し、信頼力(力量)を強化し、現実を直視する「結果」を経て、信頼性を高めることが必要です。逆に右端は、問題そのものよりも、相手の人間に容赦なく挑みかかるような行動です。または、「みんな揃って討ち死にするしかない」といった極端に走ったり、「私にはこのひどい状況はお手上げだ」という被害者意識に陥る場合などです。

しかし、残酷な現実に立ち向かい、なおかつ信頼を失わないことは可能なのです。彼が調査した企業およびリーダーで、「良い企業」から「偉大な企業」へと成長したところはまさにそれを実践しており彼らのそうした姿勢が新たな強みを生み出したのです。

 「グラフ(※グラフ無し)の最適化の鍵は、それぞれの行動を『信頼性の4つの核』の最も高いレベルで組み合わせること」 そうすることにより、行動を適切に応用するための判断力が最大化されて、信頼関係を支配する原則と調和できるようになるのです。
   それでは、「現実を直視する」のに役立つ点を、具体的に紹介しましょう。
 職場や家庭で、今度あなたが現実を直視するのを躊躇することがあったら、結果が心配なのか、苦痛を恐れているのか、心の中を覗いてみよう。現実に立ち向かわなかったらどうなるか想像してみることだ。他者をあるがままの状況に対処できる大人(または分別のある子ども)として扱おう。現実に立ち向かい、そして人には敬意をもって接すること。
 経済状況、職業上の資格、あるいは健康について、あなたは現実に立ち向かっているか、それとも非現実的な世界に逃げ込んでいるだろうか。自分に対してどこまでも正直であるように努めなければならない。自分の望む結果が得られるような原則を見つけ、それに沿った生き方をしよう
 私生活や職場での関係に窮屈さを感じているとしたら、その原因を分析してみよう。率直で高い信頼に基づいた関係を築く上で障害になる問題が何かあるだろうか。その問題に正面から勇気を持って取り組むようにしよう。
 まとめ
 「結果を出す」とは、困難な問題に正面から取り組むこと、触れたくない問題の存在を意識すること、悪い知らせも告げる勇気を持つこと、現実から目を背けないこと、など。
根底にある原則は勇気、責任、自覚、敬意である。

逆の行動は、現実を無視すること、現実から目を背けていつか消えてなくなるか、実在しないかのように思い込むことなど。
偽りの行動は、真の問題に目をつぶって、見せかけの仕事に逃げ込むことなど
   9「信頼されるリーダーの13の行動」  9番目、「期待を明確にする」
 「期待を明確にする」とは、何をなすべきか前もって考えを統一することです。
 それでは初めに、あなたの現状を評価してみましょう。普段から期待を明確にして、きちんと相手に説明していれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動 逆の行動、偽りの行動 現在の成績
期待を明確にする ・期待を勝手に解釈するか、明確に示さない 
・不明確で一貫性のない期待を示す
/10点
 「期待を明確にする」とは
 結果を出しているのに評価されなかったり、パフォーマンスが低かったりする原因は、たいてい何を期待しているのか事前にはっきりさせておかなかったことにあります。職場や家庭で、「そんな話は聞いていない」とか、「それはあなたがする仕事だと思っていた」といった理由で、多くの時間と労力が浪費されてしまうのです。したがって、期待を明確にすることは、予防の行動だということもできるでしょう。これを怠ると、後で胸や頭が痛くなることになり、信頼を失い、それがスピードとコストに影響を与えることになるのです。

「期待を明確にする」という行動の根底には、明快さ、責任、そしてアカウンタビリティの原則があります。逆の行動は、期待を曖昧にしておくことです。自分が何を期待しているか相手もわかっているはずだと思い込んだり、認識を共有するのを怠ったりすると、それぞれの期待は違ったものになり、評価に値しない結果が生み出され、信頼、スピード、コストすべての面で打撃を受けてしまいます。偽りの行動は、巧妙にごまかすことです。たとえば、期待を明確にすると言いながら、結果、期限、報奨などの具体事項を曖昧にしていたり、その時々の都合で期待を上げ下げする、などといったことです。

「期待を明確にする」ことが大切なのは、人と人がかかわり合うときは、それが明確であろうと暗示的であろうと、また理解されようがされまいが、必ず
そこに期待が存在するからです。そして、その期待がどの程度満たされるか裏切られるかそれが信頼に大きく影響するのです。
 どうやって実行するか
  仕事上で「期待を明確にする」には、やはり契約書などの書面をきちんと取り交わすことが有効でしょう。契約書は双方の期待を特定して明確にします。その結果、信頼が維持され、強化されもするものです。

 「期待を明確にする」行動は、職場だけでなく家庭でも絶大な効果を発揮します。夫婦間での役割や責任が明確でなかったり、解釈に食い違いがあったりして生じる失望やいざこざも、[期待を明確にする」ことで解消できます。また、親子間で、家の手伝いや決まり事をきちんと守らせる際にも「期待を明確にする」ことは重要です。口頭の合意だけでなく、期待や求める結果を紙に書いておくと、時間と労力の浪費を減らし、信頼の環境を築くのに大いに役立ちます。

 米国経営管理学会が行った調査によると、企業の非論理的行動の最大の原因は、非論理的期待にあるそうです。社員たちは期待を伝えられ、それを遂行する期限や予算を示されます。期限までに結果を出さなければならないというプレッシャーから、彼らは手抜きをするようになります。期待に応えようとして非論理的なことに手を出してしまうのです。

 「期待を明確にする」という行動は、常に双方向の行動でなければなりません。どちらの視点から見ても無理のない現実的な期待を設定できるよう、社員たちの意見も聞く機会を設ける必要があります。
 信頼を高めるヒント
  「期待を明確にする」という行動のスイート・スポットをとらえるためは、「誠実さ」(期待を設定し、他者に正直に伝える)が必要です。また、関係者全員にとってのWinになるような期待を生み出す「意図」も不可欠です。合意内容を整理し、間違いなく実行するなどの「力量」、そして求める「結果」を関係者全員がわかるような方法で特定することも重要です。曲線の左端は、期待を十分に明確にしていない場合です。逆に右端は、あまりに細かすぎたり、途中で生じた調整に柔軟でなかったり、不信感が強すぎるといったことが考えられます。たとえば、婚前に財産契約を結ぶことで期待は明確になるかもしれませんが、その過程で信頼が損なわれる可能性も高くなります。

「グラフ(※グラフ無し)の最適化の鍵は、それぞれの行動を『信頼性の4つの核』の最も高いレベルで組み合わせること」
そうすることにより、行動を適切に応用するための判断力が最大化されて、
信頼関係を支配する原則と調和できるのです。
 それでは、「期待を明確にする」のに役立つ点を、具体的に紹介しましょう。
 コミュニケーションでは、明快さが力になることを認識しよう。
 「明快さのチェック」として相手に次のような点を確認してみるとよい。
1.今の会話から何を理解しましたか。
2.会話の結果、あなた自身は次に何をすべきだと思いますか。私は何をすべきだとあなたは思いますか。
3.他の人たちは期待を明確に理解しているとあなたは思いますか。
4.もっと明確にするためには、我々はどうしたらよいと思いますか。
•今度あなたが職場で何かのプロジェクトを手掛けるときは、明確なプロジェクト合意書を事前に作成するようにしよう。利害関係者全員で集まり、それぞれのアイデアや懸念を述べ合い、全員にとってWinになるような現実的かつ明確な合意を生み出すようにする。
・家庭においても、期待を明確にすることは重要となる。夫婦それぞれが結婚生活での大きな不満を3つずつ書き出し、個々の不満を見ながら「この中で、自分の期待が満たされていないものはどれだろうか」と自問する。
不満や期待に関して何か思いついたことがあれば話し合い、より明確にする努力を一緒にしていく。
  まとめ
「期待を明確にする」とは、自分が期待していることを相手に明らかにし、話し合い、確認すること。必要かつ可能ならば話し合って期待を見直すことなど。
根底にある原則は明快さ、責任、アカウンタビリティである。

逆の行動は、期待を曖昧にしておくこと、勝手な憶測で期待が共有されていると思い込むこと。
偽りの行動は、巧妙にごまかすことなど。
10番目の「信頼されるリーダーの13の行動」は、「アカウンタビリティ(結果に対する説明責任)を果たす」です。
 G社の2002年世論調査によると、信頼構築に必要な要素の第2位が、「自ら責任とアカウンタビリティを引き受けること」だったそうです。また、社会的信頼を築く上で鍵を握る3つの要素の1つに「アカウンタビリティの文化」を挙げています。
この「アカウンタビリティを果たす」という行動には、2つの側面があります。
 1つは「自分自身がアカウンタビリティを果たす」ことであり、
 2つは「他者にアカウンタビリティを果たさせる」ことです。
 信頼を生み出すリーダーはこの両方を実行しているのです。

、「窓と鏡」、何か問題が起きたとき、窓の外を眺める、つまり他者を見て非難するのではなく、鏡を見る、つまりその状況における自分の責任に目を向けることが大切です。

この行動は、アカウンタビリティ、責任、監督責任、所有者意識の原則の上に成り立っているもので、逆の行動は、責任を取らないこと、シラを切ること、「私のせいではない」と言うことです。また、偽りの行動は、他者を名指しで非難し、「彼らのせいだ」と言うことです。

 では、この行動は信頼にどんな影響を及ぼすでしょうか。次の例で考えてみましょう。
 NFLのサンフランシスコ・フォーティーナイナーズのクォーターバックで、殿堂入りを果たしているスティーブ・ヤングは、大事な試合の最終シリーズにおいて、ある地点にパスを送りました。ところが、当然そこにいるはずのレシーバーがいなかったためにパスは敵の手に渡り、フォーティーナイナーズはこの試合に敗れてしまいました。

試合後、ヤングは「レシーバーが間違ったコースを走っていたようだが、どうしてそうなったのか」と質問されました。実際、その通りだったので、普通ならその指摘に同調して、自らの責任を回避したいところだったでしょう。しかし、ヤングはこう答えたのです。

「私がインターセプトされるようなパスをしてしまった。私の責任だ。このチームのクォーターバックである私の力不足だ」 と。

実情を知らないファンや解説者はヤングを痛烈に批判しました。しかし、レシーバーのミスであることを知っていたコーチや他の選手たちは、自ら責任を背負い込んだヤングに対し、さらなる忠誠心と信頼を寄せたのです。

今日の社会では、「いじめ」が蔓延しており、自ら責任を取り、アカウンタビリティを果たすことは、ますます難しくなっています。

言い換えれば、「アカウンタビリティを果たす」ということは、このいじめという普遍的かつ圧倒的な悪しき文化的現象からの180度の転換を意味します。

「成功には多くの父親がいるが、失敗は孤児である」とはロシアの格言です。だからこそ、責任を取ることが信頼を築く上で非常に効果的なのです。いじめは依存と不信を生み出しますが、「アカウンタビリティを果たす」行動は自立と信頼を築きます。そして、その効果は幾何級数的といっていいほど膨大です。

人々、特にリーダーが自ら責任を果たせば、周囲にもそれが波及していくものであり、リーダーが「もっと上手くやれたと思うし、そうすべきだった」と言えば、周りの人間も、「いえいえ、私こそ、それに気づくべきでした。もっと私がサポートしていたら」と呼応することでしょう。

これは、夫婦や家族の関係にも当てはまります。「ごめんなさい。つい衝動的になってしまって、2人で約束したことを破ってしまったわ」「怒鳴ったりしてすまない。悪いことをした」などと一方が言えばアカウンタビリティを認めることになり、相手も同じように行動するようになります。そうしていくことで、徐々に信頼に基づいたオープンな環境を築いていけるようになるはずです。

「信頼されるリーダーの13の行動」の残り3つの行動人格と能力の要素を両方必要とします
 1つめ、「まずは耳を傾ける」
  「まずは耳を傾ける」の背後にある原則は、理解、尊敬、そして相互利益です。
この行動の逆は、まず自分が話し、その後で相手の話を聞く、あるいは全く聞かないということになります。相手が何か言おうとしていたり、自分とは違う優れた視点を持っていることには目もくれず、自分の思惑を実現することだけに躍起になります。しかも相手の準備が整う前から話し始めたりします。どれも自己中心的な行動であり、これでは信頼を築くことはできません。

「まずは耳を傾ける」という行動は非能率的で、時間がかかりすぎると考える人たちがいるかもしれません。しかし、この行動は非常に実利的でもあり、信頼を確立し、さらにはスピードとコストにも大きな好影響を及ぼします。

 ドラッカーは、有能な経営者の行動8項目を挙げ、最後をこう結んでいます。
  「有能な経営者たちがとる8つの行動をここまで見てきた。最後にもう1つ、ある行動を追加したい。
 それは極めて重要であり、私はそれを自分のモットーにしている。まず耳を傾けよ。話すのは最後でいい
 ドラッカーがこのように語るのは、「まずは耳を傾ける」ことにより、洞察力や理解力が深まるからではないでしょうか。意思決定もより適切に下せるようになり、相手を尊重し、安心感を与えることにもつながります。つまり、信頼に与える効果は計り知れないものとなるのです。

 「まずは耳を傾ける」ことで、信頼されるための「糸口」を手にすることができます。どう振る舞えば特定の信頼口座への預け入れとなり、どういう振る舞いだったらならないのか、それが少しずつ見えてくるのではないでしょうか。そして、そこをしっかり理解できるようになれば、コミュニケーションのスピードも増すことでしょう。なぜなら、関係を構築しようとしている相手と感情や視点を共有することになるからです。

 これから誰かと会話をするとき、次のことについて意識してみましょう。
  「自分は本当にこの人の話に耳を傾けているだろうか。この人が思っていることを本当に理解しているだろうか」と冷静な気持ちで自問し、もししていなければ、すぐに実行することです。自分自身の思惑は脇に置き、自分の意見を述べる前に相手の考えを理解することを心がけましょう
 ⑫ 「信頼されるリーダーの13の行動」もあと2つになりました。
  「コミットメントし続ける」という行動です。
約束をして、それを守るということで、この行動は、家族、その他、どんな関係においても信頼を築く最短ルート。
それでは初めに、現状を評価してみましょう。普段から約束をし、守っていれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動 逆の行動、偽りの行動 現在の成績
コミットメントし続ける  •約束に違反する
 •漠然とした、ごまかしやすい約束をするか、約束を全くしない
/10点
「コミットメントし続ける」とは
 「コミットメントする」とは、相手と約束をして、それを守るということであり、言い換えれば、責任を持って他者とかかわること、そうすることを明言すること、といえるでしょう。

 約束を守っていれば信頼されますが、一度でも約束を破ったら、それまでに築いた信頼が一瞬で崩れ去ってしまうことも考えられます。つまり、安易に約束をすることも慎まなければなりません。約束をするという行為には慎重さが求められるのです。

 「コミットメントし続ける」の逆の行動には、漠然とした、あるいはごまかしやすい約束をすることや、約束を守れないことを恐れて、そもそも約束をしないといったことです。こうした態度は、一見すると安全策のように思われるかもしれませんが、勇気に欠け、相手からの期待もそぐことになるため、ビジネスでも家庭でもまず通用しません。

 「コミットメントし続ける」という行動は、誠実、パフォーマンス、勇気、そして謙虚さの原則に基づいています。「率直に話す」や「結果を出す」などの行動とも密接に関係し、
人格と能力が完璧にバランスをとれている状態です。
 特に「誠実さ」(人格)と、有言実行の「能力」(能力)を必要とします。
 信頼への影響
  信頼について議論するとき、最大の要因としてよく挙げられるのが、この「コミットメントし続ける」という行動です。倫理性の高い文化を構築する上で「コミットメントし続ける」ことがとても重要である。
約束が守られれば、希望、自信、信頼がもたらされ、これらが弾みとなってスムーズに成果が達成されます。

一方、この行動が信頼に破壊的影響を及ぼすことも事実です。多くの人は、企業は正直さ、誠実さ、そして品質を消費者に約束していると考えています。そうした
暗黙の約束が破られると、即座に不信が生まれ、信頼口座からの巨額な引き出しがなされます。約束違反は疑念、皮肉、不信を生み、これが物事を前進させる車輪を錆びつかせるのです。

これらの作用は、ビジネスでも個人の人間関係でも全く変わりません。
 一番大切な約束
  人は仕事上の約束となると真剣に考えますが、家族との約束はいい加減になりがちです。自分が働くことで家族を養っているのだから、多少のことは我慢してもらわなければと、家族との約束を軽く考える傾向があるのかもしれません。

しかし、家族との約束は仕事上の約束に劣らず、むしろそれ以上に重要。「コミットメントし続ける」という行動が信頼に大きな影響を与え、信頼が家族の文化の繁栄に欠かせないものだとすれば、家族との約束は他の何よりも大切にするべきものなのです。

  結局、他者とコミットメントし続けるカギは、自分との約束を守ること、それに尽きるのではないでしょうか。それがすべての出発点であり、一番大切な約束でもあるからです。

そうした行動の積み重ねが、他者との信頼関係を築く力と自信、すなわち自分自身への信頼を身につけていくことにつながっていくのです。
 信頼を高めるヒント
 「コミットメントし続ける」のスイート・スポットは、きちんと約束をして、それを誠実に守ることです。

曲線(※グラフ無し)の左端は、きちんとした約束をしていないか、約束したことをしっかり守っていないか、などが考えられます。その場合は「誠実さ」を高めたり、相互利益の「意図」を強化する努力をしましょう。また、「コミットメントし続ける」ための力量を身につけることも必要になりますし、信頼を構築した際に得られる成果について明確な期待やビジョンを描く習慣をつけるのも、効果的かもしれません。

逆に右端に位置している場合は、安易な約束をしすぎたり、状況の変化によって実益や意味が失われた約束まで果たそうとしているのかもしれません。そういう場合は、この講座の第7回~第11回で学んだ「信頼性の4つの核」をすべて強化して判断力を身につけましょう。中でも「誠実さ」に注目し、守れない約束や、守るべきではない約束をした場合の結果について、自分なりに考察してみてください。
 それでは、「コミットメントし続ける」ために役立つ点
 新しい関係を確立し、信頼を早く築きたいと思ったら、約束をし、それを守り、それを何度も何度も繰り返すための「有意義な理由」を見つけよう。「約束をする―守る」というプロセスを繰り返しているうちに、信頼口座の残高がどんどん増えていく
•今度、あなたが職場で誰かと約束をするときは、それが実現可能なことかどうか、しっかり確認しよう。大風呂敷を広げておいて達成できずに終わるより、たとえ相手を落胆させることになっても、この確認を前もってやっておいたほうがずっとましである。そして、約束したことは必ずやり遂げること。期限に間に合いそうもないときは、なるべく早く条件について再交渉しよう。それを怠って期限に遅れるのはもっての外である。
•家庭では自分の発言に責任を持つようにしよう。
あなたが何かをすると言ったら、家族はそれを約束として受け止める。
自分が口にしたことを真剣にとらえ、やると言ったことは最後までやり通すことが大切である。家庭での信頼はあらゆる信頼の中で最も重要だということを認識しなければならない。
 まとめ
  「コミットメントし続ける」とは、約束をして、それを守ること。約束は慎重に行い、必ず実行する。約束を守れなくても言い逃れをしない。根底にある原則は、誠実、パフォーマンス、勇気、そして謙虚さである。

逆の行動は、約束を守らないこと。偽りの行動は、曖昧で
ごまかしやすい約束をすること、約束自体をしないこと。
 ⑬「信頼されるリーダーの13の行動」も最後の13番目 「他者を信頼する」という行動
 それでは初めに、あなたの現状を評価してみましょう。あなたが、普段から 他者を信頼していれば10点、逆の行動や偽りの行動が多ければ多いほど0点 に近くなります。自分の言動を振り返って、点数をつけてください。
行動 逆の行動、偽りの行動 現在の成績
他者を信頼する •人を信頼しない
•信頼しているふりをして口うるさく監督する
•責任だけ持たせて権限は与えない
/10点
 「他者を信頼する」とは
 今まで紹介した12の行動とは性質が少し違います。これまでの行動は、より「信頼される」リーダーになる ためのものでしたが、この行動は自分が他者をより「信頼する」リーダーに なろうとするものだから。

 
信頼とは一方通行ではなく相互関係です。相手を信頼することによって、その相手から自分に対する信頼を得ることができます。なぜなら、人は自分を信頼してくれる人を信頼するものだからです。たとえば、信頼関係が十分に構築されていないとき、自分から相手を信頼することは、信頼を築くための 最善の方法の1つといえるでしょう。

その点で、「他者を信頼する」という行動は、「7つの習慣」の中の第五の習慣
「理解してから理解される 」と似たところがあり、自分が先に相手を信頼することによって、相手からの信頼を得ることにつながるのです。

 しかし、「他者を信頼する」という行為には、「騙されたくない」という気持ちの壁が立ちはだかることでしょう。見境なく人を信頼する能天気な人間だと軽んじられたくない、人からいいように使われたくない、と思うのは自然なことです。
それでも、「他者を信頼する」ことによって、あなたは想像を超えるような 素晴らしい効果が得ることができるのです。そのことを決して忘れないでください。
 他者を信頼しないとどうなるか?
  「他者を信頼する」という行動は、エンパワーメントや相互利益の原則に基 づいています。さらに、ほとんどの人は信頼されるに値する人間であり、信頼されることを願っていて、信頼されればそれに応えようとする気持ちが根底にあるものです。
「他者を信頼する」の逆の行動は、「人を信頼しない」ことです。これが組織に蔓延すると至る部分で多大なコストがかかります。信頼できる大多数の 社員を、信頼できないごく少数の社員と同じように扱うはめになり、管理やセキュリティ面で多くの手間とコストをかけ、各自の行動を厳しく規制する ことになります。そうなれば、ビジネスにおけるスピードにも深刻な影響を与えることになるでしょう。

  「他者を信頼する」の偽りの行為には、2つあります。
 1つは、嘘の信頼を提供すること。たとえば、任務を遂行する責任を持たせるだけで、手段を選ぶ自由や権限は与えない、といったものです。それでは 相手を本当に信頼しているとはいえません。
  もう1つは「偽の信頼」です。本当は信頼していない人に、あたかも信頼しているかのように振る舞うことです。仕事を任せておきながら、口うるさく監督したり、周囲をうろついて見張ったり、権威を振りかざすような態度をとったりします。ひどい場合には、相手に任せたはずの仕事を自分でやってしまう、などというのもこれに当たります
あなたの家庭や職場にも、このような行動をとる人はいないでしょうか。あるいは、あなた自身が偽りの信頼を提供していないでしょうか。もし思い当 たる節があるようなら、まずは「他者を信頼する」行動を心がけてみましょ う。
 強力な動機づけ
 「他者を信頼することほど、人を動機づけし、あるいは鼓舞するものはない」
 信頼されている状況にあると、人は管理や監督を受ける必要がなく、自分の行動を自身で管理できるようになります。
また、成功者に「人生で最も影響を受けた人物」を尋ねると、「自分を強く 信頼してくれた人」という答えが返ってくることが非常に多いといいます。 誰かが自分を信用してくれると、人はその信頼に応えたいと強烈に願うよう になり、それがきっかけとなって、大きく成長していくのです。

「他者を信頼する」ことで、相手に力を与えることができます。また、自分のリーダーシップを効果的に活用することもできるようになるでしょう。

信頼とは、人の最もよい部分を引き出すものであり、高レベルの文化を構築し、素晴らしい相乗効果を生み出し、社会、家族、学校など、あらゆる組織の能力を最大化します。その結果、大きな目的を成し遂げることにつながるのです。
 信頼を高めるヒント
  「他者を信頼する」ためには、誠実さ、意図、力量、結果の強みが必要なことはいうまでもありません。下図(※グラフ無し)の曲線の左端に位置している場合は、十分な信頼を与えていないか、効果的に与えていないことになります。勇気を増 すこと(誠実)、信頼性を高めること(意図)はもちろん、期待を明確にし 、他者に責任を果たさせ、より実用的な形で「賢い信頼(スマート・トラスト)」を提供すること(力量)を心がける必要があるでしょう。

逆に右端に偏るのは、信頼を与えすぎて痛い目に遭っている状態です。「信 頼性の4つの核」のすべてを強化して、賢い信頼を提供するための判断力を 身につけましょう。
  それでは、「他者を信頼する」のに役立つ点
•「自分が信頼されていない」と感じる関係について考えてみてほしい。
その人があなたを信頼しないのは、あなたがその人を信頼していないからでは ないだろうか。もしあなたが下向きのスパイラルにはまり込んでいるようなら、それを逆転させることが必要になる。まず自分から相手を信頼する行動をとり、どんな変化が起こるか、しっかり見てみよう。
•職場か家庭のいずれかで、あなたがどれだけ他者を信頼できているか、10 段階で評価してみよう。
あまり信頼を提供せず、低い評価しかできない場合 、それがどんな結果を引き起こすか、想像してみてほしい。
反対に、信頼を十分に提供していると評価できる場合についても考えてみよう。いずれにせよ、自分の評価が5以下だったら、もっと信頼を提供できるための改善策を 見つけることだ。
•もしあなたが子どもを持つ親であれば、子どもとの会話の仕方に注意を払 おう。
すぐ疑ったり、うるさくつきまとったり、1から10まで口を出したたりしていないだろうか。それとも、信頼に値する責任ある人間としてきちん と接しているだろうか。
 まとめ
  自分が信頼できる人には思い切り信頼を提供すること。
リスクがあるからといって信頼の提供を控える必要はない。根底にある原則は、エンパワーメント、そして相互利益である。

逆の行動は、他者を信頼しないこと。
偽りの行動は、嘘の信頼を提供すること、本当は信頼していない人にあたか も信頼しているかのように振る舞うこと。


 これまでお話ししてきた「信頼されるリーダーの行動」をしっかり身につけるために、「行動計画を立てる」ことをお勧めします。
まず、あなたが「信頼を築きたい」と思う関係を2つ(1つは仕事上、もう1つはプライベート)具体的に思い浮かべてください。
次に、下表の「行動」の項目について、あなたの現状を10点満点で評価し、記入してください。
その結果から、信頼関係を築くにあたり、あなた自身に足りないもの、あるいはもっと伸ばしたいと思うポイントが見えてくるのではないでしょうか。
これらを踏まえて、すべての項目の中から「信頼を築くために最大の効果を生む」と思われる行動を2つか3つ選んでください。
さあ、仕上げのプランニングです。あなたが効果的だと判断した行動について、「誰に対して、どのような対応を、いつ行うのか」、具体的な「行動計画」を立て、さっそく実行してみましょう。

参考までに、信頼口座からの引き出しに最もなりやすいのは「人格」の行動に背くこと、預け入れになりやすいのは「能力」の行動を実践すること、です。これを念頭に置いておくと、迅速かつ的確に「信頼を築く方法」を見つけることができるでしょう。
行動 現状
評価
あなたの
行動計画
逆の行動/偽りの行動




率直に話す 嘘をつく/でっち上げる/一部だけ真実を話す/はぐらかす/お世辞を言う
他者を尊重する 思いやりを示さないか、心遣いをしていることを見せない/失礼な態度をとったり、自分に何かしてくれる人にだけ敬意を払う
透明性を高める 情報を抱え込む/秘密をつくる/幻想を生み出す/振りをする
間違いを正す 間違いを認めないか、是正しない/間違いを隠蔽する
忠誠心を示す 他者を裏切る/手柄を独り占めする/本人の前では持ち上げ、陰では悪口を言う



結果を出す 結果を出さない/結果よりも手段としての活動を生み出す
より上を目指す 能力を低下させる/改善に投資しない/どの問題にも同じ解決策を当てはめる
現実を直視する 現実から目を背ける/真の問題を避け、見せかけの仕事に逃げ込む
期待を明確にする 期待を勝手に解釈するか、明確に示さない/不明確で一貫性のない期待を示す
アカウンタビリティを果たす 「私のせいではない」と言って責任をとらない/他者に責任を果たさせない



まずは耳を傾ける 人の話を聞かない/まず自分が話し、人の話は最後に聞く/聞く振りをする/漠然と聞いて理解しようとしない
コミットメントし続ける 委託を実行しない/約束に違反する/漠然としてごまかしやすい約束をするか、約束を全くしない
他者を信頼する 人を信頼しない/信頼している振りをして口うるさく監督する/責任だけ持たせて権限は与えない

 
 

 


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